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留学ドキュメンタリー

第13期生来日 夢はファッションデザイナーから同時通訳、外交官まで



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今年も「心連心」のハートをつなぐポーズで記念撮影

  記録的な猛暑にたびかさなる大型台風、さらに北海道地震と続いた2018年の夏。そんなさなかに来日した「心連心」第13期生の26名は元気いっぱいだった。2018年9月7日、東京で開催された来日歓迎レセプションで、彼らの抱負を聞いた。


明るくて気さくな雰囲気の第13期生


  歓迎レセプションの直前、会場ではリハーサルを終えた「心連心」第13期生の26名が、壁際に並べられた椅子に座り待機していた。緊張しているかと思いきや、みな思い思いにおしゃべりをして、ワクワクとした感じが伝わってくる。「こんにちは!」と話しかけると、「こんにちは!」と、元気いっぱいの返事が返ってきた。


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西安出身の代恩鳴君

  明るくて気さく。それが第13期生の第一印象だった。これまでも各期それぞれの雰囲気があったが、今年は特にのびのびとした親しみやすさが伝わってくる。

  例えば、西安出身の代恩鳴(だいおんめい)君。おしゃべり好きの彼は、レセプション前、みなが会場で待機しているときも、輪の中心で話を盛り上げていた。


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東京学芸大学附属国際中等教育学校の山本優一郎君

  実は彼が通う西安市の高校は、今年3月、公益財団法人かめのり財団と日中交流センターが共催で行った「日本高校生短期訪中事業第8弾」の訪問先で、このとき、学校主催の歓迎会で司会をつとめたのが、代君だった。そして今回の来日歓迎レセプションでは、訪問団の一人だった山本優一郎君が、日本側代表生徒として挨拶をした。2人とも感動の再会かと思いきや、代君は「いや~、あのときはいきなり司会に指名されて、誰が誰だかよくわかっていなかったんですよ」とおどける。その隣で山本君も「そうそう」と笑っている。

  「僕のほうは中国語が全然できず大変でした。でもすごく親切にしてもらっていい思い出ばかりです」。

  代君はこれから、山本君のいる東京学芸大学附属国際中等教育学校に通う。

「心連心」初の貴州省出身者



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福建省出身の陳鈺加さん(左)と貴州省出身の馮艶群さん(右)

  生徒全員の自己紹介でトップバッターをつとめた福建省福州市出身の陳鈺加(ちんぎょくか)さんも、親しみやすそうな笑顔が印象的だった。初来日という彼女に、日本で経験したうれしかったことをたずねると、「研修で武蔵小山の町歩きをしたこと。私の好きな漫画の世界を歩いたみたいでした」と、目をキラキラさせた。

  もともと日本の漫画や歌が好きで、日本語に興味をもったそうだ。「この1年は日本語をよく勉強して、日本人と友達になって、将来は通訳になりたいです」と話してくれた。

  陳さんと一緒にいた馮艶群(ふうえんぐん)さんは、「夢はファッションデザイナーです。それと世界一周の旅に出たい」と、ビッグな抱負を語る。馮さんは、「心連心」高校生招聘事業で初めての貴州省出身者で、レセプションでは生徒代表挨拶をつとめた。初海外となる日本の印象は、「きれいで清潔」。

  「今はテレビで世界のいろいろなところを見られるけれど、見るのと体験するのとは全然違うと思う」と語る馮さん。外国語にとても興味があり、日本語をマスターしたら別の外国語も勉強したいと考えている。


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貴州省出身でトン族の胡澤兵君

  13期生にはもう一人、貴州省からの参加者がいる。胡澤兵(こたくへい)君だ。貴州省の中でもさらに内陸に位置する黔東南ミャオ族トン族自治州岑鞏県からやってきたトン族の胡くん。彼が暮らす地域には、今も伝統文化が色濃く残り、お祭りや新年などに歌を歌ってお祝いする習慣があるそうだ。

  日本でやってみたいことをたずねると「日本の伝統的な文化を体験したい」。特に興味があるのは和服と剣道。そして将来の夢は「外交官」。理由を聞くと、「心連心の面接に参加して使命感を感じました」と、なかなか立派な返事が返ってきた。

13期生に選ばれて変わった意識



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吉林省出身の金星国君

  他にも、「心連心」に参加したことで将来に対する考えが変わったと話す生徒がいた、金星国(きんせいこく)君はその一人。

  吉林省和龍市という北朝鮮との国境に接する街で生まれ育った金君が、日本語を学んだきっかけは、「英語が苦手だったのと、小さいときに日本のアニメを見たことがあって興味をもったから」という漠然としたものだった。しかし、13期生に選ばれたことで、いずれ、日本と関係のある仕事をしたいと考えるようになった。

  「1年間日本でがんばったあとは、中国の大学でも日本語を猛勉強して、卒業後は日本の会社で働くなどしたいです」と、具体的な目標が見えつつある。


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山西省太原市出身の王鈺瑄(左)と天津市出身の鄭天祺さん(右)

  また、山西省太原市出身の王鈺瑄(おうぎょくせん)さんは「日本に来る前は、警察官になりたいと思っていた。でも、今回の留学生活で考えが変わると思う」と話す。一緒にいた天津市出身の鄭天祺(ていてんき)さんも、「この留学を通じて、自分の夢をさがしていきたい」と考えている。

  2人とも日本のアニメが好きで日本語を勉強するようになったといい、すでに日本語はかなりうまい。王さんは初来日だが、鄭さんは一度、旅行で東京周辺と北海道に来たことがある。どんなところに中国との違いを感じたか聞くと、「東京でスーツを着たサラリーマンたちが、すごいスピードで歩いているところ」という返事。

  鄭さんも帰国するころには、東京のビジネスマンみたいに速足になっているかも――。そう言うと、「え~~、それはちょっと……」と、かわいらしく身をよじった。幸い、というべきか、鄭さんの留学先は鹿児島県。ホームステイ先の家族との交流を楽しみにしているそうだ。

人生は最適化できない



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おじさんが日系企業勤めの夏晗君(上海出身)

  日本語がうまいといえば、上海出身の夏晗(かかん)君もなかなか流暢な日本語を話す。実は、夏君のおじさんは日系企業勤め。おじさんがいつも日本語を使って仕事をする姿を見てきた。

  そんな夏君の将来の夢は同時通訳だ。なぜかというと、「お互いに言葉がわからない人同士の気持ちを、僕の力で伝えることができる仕事だから」。

  しかし、留学生活に不安がないわけではない。「最初の3、4カ月をすぎるとすごくさみしくなると聞く。そこが一番つらいと思う」と夏君。それでも、不安より期待のほうが大きいことは、その笑顔からもみてとれた。


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(左)中華人民共和国駐日本大使館教育部の安載鶴一等書記官、(右)鹿児島県立武岡台高校の今吉弘哉先生

  歓迎レセプションでは、日中交流センターの堀俊雄所長のほか、中華人民共和国駐日本大使館教育部の安載鶴一等書記官、長年にわたり「心連心」の留学生を受け入れてきた鹿児島県立武岡台高校の今吉弘哉先生などの来賓から、力強いエールが贈られた。


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卒業生代表の張天鴻君(東京大学工学部)

  特に、卒業生代表の張天鴻(ちょうてんこう)君の挨拶は熱かった。8期生の張君は現在、東京大学工学部に通っている。制御理論の分野で世界トップだという先生の言葉を引用し、「人生は最適化できない」と、13期生に語りかけた。

  「一番良い選択をしても必ずしも良い結果になるとは限らない。だから何をしても間違いではない。でもそれは、何をしても同じこととイコールではない。本当にやりたいことを探して、それをやっていってほしい」

  「心連心」の高校留学を自ら体験した張君の言葉は重い。それは13期生の心にも深く響いたことだろう。こうして今年も、26名の新たな挑戦が始まった。

【取材を終えて】


  これまで、取材してきた「心連心」の生徒は一人っ子がほとんどだった。ところが、今回、話を聞いた天津出身の鄭天祺さんは、昨年、弟が生まれたところだという。2016年に一人っ子政策が緩和され、兄弟姉妹がいなくて当たり前だった中国からの留学生も、これから少しずつ変わっていくかもしれない。

  取材・文:田中奈美 取材日:2018年9月7日

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