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卒業生インタビュー

インタビュー 心連心プログラム修了生の「日中交流の担い手」として成長した様子を取材します。

東京・北京・天津 再会の旅 ――ホストファミリー訪中事業

  「心連心:中国人高校生長期招へい事業」がスタートして12年目を迎える今年、駐日中華人民共和国大使館教育部より、高校生の受け入れに長年協力して頂いたホストファミリーに対して感謝の意を表したいと提案を受け、同館との共催で初めてホストファミリーの中国訪問事業が実現する運びとなった。2017年11月2日から11月5日の日程で中国・北京市および天津市を訪れ、かつて日本でともに過ごした心連心卒業生との再会する。出発前日の11月1日に都内で壮行会が開かれ、東京在住の卒業生たちも駆け付けた。

ホストファミリーによる初の訪中事業


写真を拡大祖天琳さん(第4期生)とHFの大友さんご夫妻。祖さんは会場で大友さんを見つけるやいなや、嬉しそうに駆け寄っていった。

  壮行会に集まったのは、訪中事業に参加するホストファミリー(以下、HFと略)9家庭16名と東京在住の心連心卒業生8名。HFとの久々の再会で、卒業生たちの顔がほころんでいる。

写真を拡大中国大使館教育部胡志平公使参事官

  乾杯に先だって、中華人民共和国駐日本国大使館教育部の胡志平・公使参事官は、HFの日頃の支援に対して感謝の意を述べた。

  「中国人高校生が約1年間、日本で安心して幸せに留学生活を送ることができるのは、みなさんのご理解とご協力があってこそ。今年は日中国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年という節目にあたるいいタイミングで、HFの訪中事業が実現できたことは喜ばしい。現地でも卒業生たちがみなさんの訪中を心から楽しみに待っていることでしょう」

写真を拡大馬寧くんとHFの大川さん(左)。挨拶に立つ馬くんを、優しい眼差しで見守っていた。

  続いて、卒業生代表として挨拶に立った馬寧くん(第5期生)は、「留学中は、自分の目で日本を見て、多くの日本人と話し、たくさんの感動を味わうことができた。『百聞は一見に如かず』というが、本当にその通りだと思った」と自身の体験を語ったうえで、HFにも北京・天津などの訪問先で様々な事を見て、楽しんで欲しいと語った。

  現在、北京外国語大学4年生の馬くんは、交換留学の制度を使って2017年10月から上智大学で国際関係と地域研究を中心に勉強中だ。大学卒業後は、中国の外務省にあたる外交部に就職することが決まっている。

  「国際情勢がいかに変わろうとも中日関係は両国にとって重要なことに変わりない。みなさまのご協力のおかげで、中日関係は間違いなく良い方向に進んでいると思う。最後に『心連心』を支えてくださるみなさまに、卒業生を代表して心より感謝の意を申し上げます」

  若き外交官を彷彿とさせる馬くんの挨拶に、会場から拍手がわき起こった。

写真を拡大日中交流センター堀俊雄事務局長(右)

  堀俊雄・日中交流センター事務局長によると、北京で開催される交流会には12名の卒業生が、天津での交流会には6名の卒業生が参加すると言う。さらに、天津では、日本に留学中の馬寧くんに代わって、馬くんのご両親が街歩きの案内役を買って出て下さるそうだ。

  「今日の壮行会や中国での交流会に駆け付けてくれる卒業生は、ここにいるHFが受け入れてくださった生徒たち。いかに彼らの留学生活を支えてくださったかよく分かります」

“子ども”たちが育った中国を見てみたい


  「本当は第5期生だけのつもりだったんです(笑)。でも、最初に受け入れた徐心致さんがすごくいい子で。こんな子が来てくれるならと、2人、3人と続いて……今は第12期生で8人目。“娘”ばっかりです(笑)。実の娘の結婚式に“娘たち”みんなを呼べたらいいね、そしたら円卓が2つになって親族席が賑やかになるねって話しているんですよ」

写真を拡大左から松木場章博さん、張楚珺さん(第9期生)、徐心致さん(第5期生)、松木場久美子さん。

  こう話すのは、鹿児島のHF松木場久美子さん。第5期から第12期まで、実に8年間 HFとして心連心を支える大ベテランだ。しかし意外にも、中国に行くのは今回が初めて。そんな松木場さんご夫妻を気遣って、現在ホームステイ中の夏夢琦さん(第12期生)や中国でインターンの経験がある(実の)娘さんがいろいろとアドバイスしてくれたそうだ。

  「さきちゃん(夏夢琦さん)が『中国ではいっぱい歩くからね』と心配してくれたので、今日は夫とともに歩きやすい靴を履いてきましたよ。上はスーツだけど(笑)。娘からは肉を食べないと元気がでないよと。私は普段肉を食べないんだけど、中国に行ったらしっかり食べなくっちゃね」

  北京の交流会では、松木場さん宅にかつてホームステイしていた盧雨聡さん(第6期生)、王丹妮さん(第7期生)、張戈さん(第10期生)、周躍さん(第11期生)らと再会する予定だ。

  「“娘たち”と再会できるのが何よりも嬉しい。また彼女たちが育った『中国』を見られるのも楽しみです。昨年いた周ちゃん(周躍さん)が私たちに会いに、お母さんと一緒に蘇州から北京までわざわざ来てくれるとのことで、周ちゃんのお母さんにも会えるのは嬉しいけど緊張しますね(笑)」

成長ぶりを楽しみに


写真を拡大吉田さんご夫妻。北京・天津に行くのは初めてだそう。

  松木場さん“家族”を、隣から目を細めながら見る姿があった。
  「いいね、子どもたちに囲まれて」
  そう話すのは、第10期生の沈隽吉くんのHFで神奈川在住の吉田さんご夫妻。沈くんは現在、日本留学を終えて上海に戻り、高校3年生になっているが、日本での大学進学を考えており、「つい先日も大学受験のため、3泊4日で日本に来ると沈くんから電話があったばかりなんですよ」と、嬉しそうに語る。

  吉田さんご夫妻には、今回の訪問先・天津で再会を楽しみにしている卒業生がいる。沈くんと同じ10期で、熊本県立宇土高等学校に留学していた侯天妍さんと、大分・岩田高校に留学していた孫超凡くんだ。

  平成28年4月に起きた熊本大地震。通学していた学校をはじめ、身を寄せていたHF宅や寮も被災した。余震が続く中、地震に慣れていない彼らは極度の緊張状態にあったことだろう。そんなとき、臨時の避難場所にと、侯さん、孫くんを神奈川のご自宅に呼び寄せて下さった。

  「授業の合間に、侯さんと孫くんも会いに来てくれると聞いています。2人が帰国してから会ってないから、どんな感じになってるかな」

写真を拡大右から王暢さん、島岡てるみさん、秀和さん。王さんは、今回の訪中を通して島岡さんに「中国人の熱意も体験してほしい」そうだ。

  「息子はもう何十回も中国に行っていて、シルクロードを旅してまわっているんです。この9月にもウイグルのカシュガルに行ってきたばかり。中国にいるほうが元気になるみたいね」と、笑いながら話すのは奈良在住のHF島岡てるみさん。ご自身も中国への渡航は今回で5回目を数えるそうだ。

  第5期生から受け入れを始め、現在5人の“お母さん”である島岡さんに、長年HFを続けている理由を尋ねてみた。

  「奈良には正倉院があるので、学校でもよく中国のことを勉強するんですよ。だから私たちも昔から中国に対して関心がありました。息子は孫悟空から始まって、今は三国志が大好きで(笑)」

  隣で話を聞いていた王暢さん(第7期生)がクスクスと笑う。心連心で高校時代、島岡さん宅にホームステイし、島岡さんの息子・秀和さんの中国好きをよく知っている。

  「受け入れを始めたきっかけは、今の中国の若い子たちはどんな考えをもっているのか知りたいという気持ちがあったから。今日久しぶりに王さんにあったら、すっかり大人っぽくなっていて驚きました。これまで受け入れてきた子どもたちの成長ぶりを見るのは嬉しいですね」

卒業後も続く“親子”のきずな


写真を拡大横田さんと陳微さん。横田さんは、かつて自宅にホームステイしていた高天鹏くん(第10期生)、張義澤くん(第11期生)と北京で再会する予定。

  壮行会も終わりに近づいた頃、食事が並ぶテーブルの脇から、ひときわ賑やかな声が聞こえてきた。陳微さん(第5期生)と埼玉のHF横田さんだ。第5期生から受け入れを始めた横田さんは、現在6人の卒業生の“お父さん”である。陳さんは“長女”といったところだ。

  料理の載ったお皿を手にしたまま、食べる時間を惜しむかのように、2人のおしゃべりが止まらない。聞けばこうして会うのは2年ぶりだそう。

  「彼女が初めて家に来たとき、『お父さん、日本人ってモンゴル人ですか?』と聞いてきたんですよ」と、横田さんが初対面時のエピソードを明かすと、再び2人の小気味良い会話が始まった。

  「そんなこと言ってたっけ?」(陳さん)
  「生まれて初めて聞いた質問だったから、すごく印象に残ってる」(横田さん)
  「高校の授業で『日本語とモンゴル語は同じ系統』と習ったから、そんな質問をしちゃったんだと思う」(陳さん)
  「日本語とモンゴル語は同じアルタイ語族と言われているんだよ」(横田さん)
  「そうなんだ。勉強になります」(陳さん)

  陳さんが横田さん宅にホームステイをしていたのは6年以上前のこと。しかし、おしゃべりに興ずる2人の姿は、親子のようでもあり、友達のようでもあり、見ていてとてもほほえましかった。

  「壮行会もそろそろお開きの時間です」と会場にアナウンスが流れた。
「お父さん、LINE教えて」(陳さん)
「ちょっと待ってて。なんだったかなあ」(横田さん)
2人の会話は、まだまだ続きそうだ。

“子ども”たちへのお土産


写真を拡大記念撮影をする束親欣さん(第8期生)とHF沼田さん夫妻。

  今回の訪中に際し、HFは様々なお土産を用意しているという。

  日中交流センターの職員によれば、鹿児島のHF沼田さん夫妻は、劉雅軒さん(第10期生)が好きだったカレーパンを出発前に空港で買う予定だ。また、留学中に食べていたご飯の味が忘れられないと話す“子ども”のために、料理でよく使っていた地元の醤油と味噌を持ってきたHFもいるとか。

  久しぶりに会う“子ども”たちを喜ばせたい――そんなHFの温かい気持ちが垣間見えた。

心連心プログラムで中国人高校生が日本の家庭にホームステイをした時間は、数週間から長いところで11ヶ月と1年にも満たない。しかし、プログラム修了後、何年経っても、彼らとHFがお互いを想い合う姿は、まさに“心連心”(心と心を結び合う)の姿と言えるだろう。きっと次の訪問先、北京・天津の交流会でも、同じ光景が見られるに違いない。

  【取材を終えて】
  HFと卒業生の仲睦まじい姿を見ていると、私の心も温かさで満たされた気がした。
「中国高校生長期招へい事業」を通して生まれる“心連心”の姿は、周りにいる人たちの心にも響き“氷を溶かす”――そんな力を持っていると思う。お互いを理解し信頼し合う彼らは、将来の日中関係に温かい風を吹き込んでくれる存在になっていくだろう。
(取材・文:和泉日実子 取材日:2017年11月1日)

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