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卒業生インタビュー

インタビュー 心連心プログラム修了生の「日中交流の担い手」として成長した様子を取材します。

Vol.017 祖 天琳さん

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名前
祖 天琳そ てんりん さん

プロフィール
  1994年生まれ。河北省唐山市出身。高校2年の時、「心連心」プログラムの第4期生として、2009年9月から2010年7月まで秋田県立秋田北高校に留学。中国の高校を卒業後、再び来日。東京で語学学校と塾での準備期間ののち、2012年4月、筑波大学 生命環境学群 生物学類に入学。

夢は生物学者!今はあせらず基礎をじっくりと


  いつも笑顔を絶やさず、やわらかな雰囲気をまとった祖天琳さん。
  小学校時代には飛び級をし、成績は常に優秀だった。
  日本語科目は常に1位、理系科目でも上位3位をキープしていたという。
  高校1年生の時には、学校で唯一となる日本語能力試験1級に合格。
  その努力が認められ、「心連心」プログラムに参加し、秋田県での留学を果たした。
  当時お世話になったホームステイの大友さん一家とは、今でも交流が続いているという。
  現在は、茨城県つくば市にある筑波大学の2年生。
  東京の北東約60㎞の位置にあり、
  大学の単一キャンパスとしては国内第2位の面積(2,577,286㎡)を誇る広大な学び舎で、
  80名の同級生とともに生物学を学んでいる。
  昔は勉強を大変だと感じたことがなかった祖さんも、今は授業についていくのがやっとだとか。
  いつも助けてくれる友人たちと先輩方に感謝しながら、勉学に励む毎日だ。
  皆から「てんちゃん」とよばれ、慕われている祖さん。取材日の夜は、同級生の誕生会が
  予定されていたため、準備の道具を詰め込んだボストンバッグを抱えて待ち合わせ場所に
  来てくれました。


校内の寄宿舎と教室を往復する毎日


  ――筑波キャンパス、本当に広いですね!

  「そうでしょう。私も慣れるまで大変でした。
  教室の移動でも自転車を使うことがあるくらい!
  私の住む寄宿舎は一応大学の敷地内にあるのですが、
  キャンパスの真ん中にある図書館まで、自転車で10分もかかるんですよ。」


  ――寄宿舎はどんな環境ですか。

  「一部屋8平米ほどで、バス・トイレ・厨房は共用。留学生はみんなここに入ることができます。
  留学前、お母さんに中国の家庭料理を習ったので、ほぼ毎日自炊しています。」


  ――平日のスケジュールを簡単に教えてください。

  「朝7時に起きて、8時40分から午後6時頃まで授業があります。
  卒業に必要な専門科目の単位はほぼ2年間で取り終えるので、授業数も多め。
  実験が長引けば、夜はもっと遅くなることもあります。
  スーパーで買い物して帰宅し、食事のあとは宿題や予習・復習をして、
  入浴後に就寝、という感じです。
  夜は友達と集まってパーティーなどをやることもありますよ。」


いまは勉強に集中したい


  ――アルバイトやサークル活動は、時間的に難しそうですね。

写真を拡大大学のG30学生との交流会に参加した時は、英語での学類の紹介を任された

  「勉強と部活を両立できるのは、本当にごく一部の学生だけのような
  気がします。
  サークルに所属すると、ミーティングなどで時間に縛られやすい
  ですから。
  ただ、生物学類の友人たちとは個人的に『輪読会』を開いて
  いるんですよ。
  週1回、生物学の専門書を読み込み、先生の前でプレゼンしています。
  また、他にも子供向け科学実験プログラムのスタッフなど、
  興味がある活動があれば、時々参加しています。
  2年生の今は、生物学の基礎知識を頭に叩き込む大事な時期。
  勉強に集中したいと思っています。
  3年生になって、もう少し自分に余裕が出てきたら、本格的な参加を
  考えるつもりです。」

  ――祖さんなりのしっかりした考えを持って、大学生活を送っているんですね。

  「筑波大学は1年次から専門授業があるので、専門的な単語を覚えるだけでも大変です。
  授業の進行スピードがとても速い! 同級生がみんな優しくて、いつも助けてくれるのが救いです。
  私がなんとか優秀でいられたのも、ここに入学する前日までの話。
  周りには“生きた百科事典”がいっぱいいるんです。
  生物の画像を見ただけで、名前から分類(綱、目、科、属など)、特徴まで言い当てる人、
  自宅に友人を集めてサメの解剖をやる人・・・とてもいい刺激になっています。」


生物学の研究者になるために


  ――大学の進学先はどう決めたのですか。

写真を拡大高校留学時代の祖さん(右)。「秋田では中国の代表として見られるんだ」と自らを鼓舞していた

  「『心連心』で秋田の高校に留学していたとき、
  大学の先生が高校生に教える「高大連携授業」というのを受けました。
  バナナのDNAを抽出保存したり、
  ホヤについて学んだ後、その場で炒めて食べたりしてとても楽しかった。
  私はその体験で、身を持って日中の科学の教え方の違い等を
  感じたんです。
  生物学の分野で考えても、日本の大学のほうが中国よりも挑戦的な
  印象があり、技術面や研究費の面でも上だと判断し、
  日本での大学進学を決めました。
  筑波大学は、生物学のレベルが高く、研究にとても力を入れています。
  また、他学群の専門授業が必修単位になるので、幅広い分野のことを
  学べます。」

  ――生物学の他にどんな分野に興味が?

  「心理学と免疫生物学の関係にいちばん興味があるので、
  他学群では心理学の授業を履修しています。
  楽観的な感情が免疫細胞の産生数を増やし、ガンなどの病気の予防や治療につながる。
  投薬でなく、自分の心の持ちようで病が治ることがあるように、
  私は心理状態が生物に与える影響を研究してみたいんです。」


  ――では、将来の夢は研究者ですか。

  「はい。生物学の研究者として世界初の発見をし、人類の役に立ちたいです。
  当面の目標は、筑波大学の『ARE(先導的研究者体験プログラム)』で研究すること。
  4年生の卒業研究のような活動が、1年生からできる制度があるんですよ。
  研究計画書が採択されれば、研究費ももらえる。
  すでに同級生で、このプログラムを利用して藻類の研究を始めた人がいるんです。
  私も参加できたらと思っています。」


  ――夢実現への意欲が伝わってきます。
    もうすぐ春休みですが、何か予定は?

写真を拡大大学の友人に浴衣を着せてもらった記念の一枚

  「長期休暇のときは、私もアルバイトしたり旅行したりしていますよ。
  春休みは、大学の先生が宮城県で行う震災ボランティアに
  参加するつもり。
  あと、人生初のスキーをしに長野県へ行きます!
  昔の自分と比べてみると、いろんなことに挑戦するようになりました。
  『心連心』に参加以降、チャレンジ精神が芽生えたかも。
  日本はとても思いやりがある社会。
  大学生活ではそういうところもしっかり見習い、“よりよい自分”に
  成長していきたいです。」


  決して周りに流されることなく、自分を信じる祖さん。
  大きな夢に向きあい、あせらずコツコツと基礎の習得に取り組む姿は、きらきらと輝いてみえた。
  「自分でもやめたいと思うけど、完璧主義者なんです(笑)」と、自分で言い切るが、
  先輩や友人たちは温かく見守ってくれている。

  ≪取材後記≫
  努力している自分をさらけだすのは決して恥ずかしいことではないし、むしろその姿を周囲に理解してもらうことで、夢を実現するチャンスをつかめるのかもしれない。私は祖さんを見て、そう思わずにはいられませんでした。(取材:一宮千夏)

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