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卒業生インタビュー

インタビュー 心連心プログラム修了生の「日中交流の担い手」として成長した様子を取材します。

Vol.007 王 笑凡さん

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名前
王 笑凡おう しょうぼん さん

プロフィール
山東省済南出身。高校2年生のとき、「心連心」の第一期生として千葉県木更津市の暁星高校(2006.09-2007.03)と広島県立高等学校(2007.03-2007.07)に留学した。現在は、南京大学大学院日本語学科の1年生。2013年3月末より、京都府の立命館大学に留学予定。

写真を拡大留学経験が豊富な王さん、2012年11月には東京大学への一週間体験留学に参加。

日本のさまざまな場所での学生生活を経験

「今月末から、また日本に留学します」と語ってくれたのは、やさしい笑顔が印象的な王笑凡さん。現在は南京大学の大学院生としてで、日本語学科で日本語を学んでいる。
王さんの日本語との関係は長く深い。小学生時代はバスケットボールを題材にした日本の漫画「スラムダンク」や日本の音楽等で日本に興味を持った。中学生の時、済南外国語学校に進学し、日本語を学び始める。始めての日本旅行も、この時の学校活動として体験。東京や大阪、京都等を訪れた。
ますます日本への興味が高まった高校時代、先生の紹介で心連心プログラムを知り、千葉県木更津市の暁星高校と広島県立高等学校に留学した。大学時代も1年間奈良女子大学文学部で学び、もうすぐ京都の立命館大学への留学へと出発予定と、非常に豊富な留学体験を持っている。

忘れられない春節

「中学生時代の旅行と、 高校生の時に体験した留学生活はまったく違うものだった」と王さんは語ってくれた。
言葉が違う、生活環境も違う中で暮らすということは、簡単ではないこともある。例えば、日本人特有の曖昧表現で、友達とのちょっとした約束も、イエスなのかノーなのか分からず、とまどったこともあった。また、まだ慣れない環境の中でも、現地の生徒さんに自分から声をかけるなど、自発的に行動しないとならないこともあったそうだ。
もちろん、辛いことばかりではなく、「楽しいこともたくさんありました」と良い思い出についてもいろいろと教えてくれた。 木更津市の暁星高校では、部活動で前から興味があったテニスに初チャレンジ。日本の部活動は、上下関係や練習が厳しい。部活のために高校に入ったという生徒もいて驚いたそうだ。そんな中でも仲間にいろいろ教えてもらいながら、 自分らしくエンジョイした。
そんな留学時代のいろいろな出来事の中でも、特に感動した思い出がある。心連心プログラムが始まって初めての春節のことだ。中国人にとって家族や親戚が集まる大切な新年(旧暦における新年)に、王さんは異国でひとりぼっち。とても寂しかったそう。そんな時、基金の先生が、留学生達を広島に集めて春節のイベントを開いてくれた。同じように故郷を離れ、寂しさでいっぱいだった留学生達が、ともに餃子をつくって新年をお祝いしたり、広島の学生たちと交流したり、忘れがたいひとときを過ごした。
「あの時はうれしくて、みんな泣いていました」
本当に心連心の先生達はいつもやさしく、親切にしてくれたんです。王さんは当時を振り返って、そう語ってくれた。

文化の違いも興味深くとらえる

留学の最初の半年間を過ごした木更津では寮だったが、後半の広島ではホストファミリーの家にお世話になった。生活を共にすると、文化の違いもより強く感じられた。日本の男女の上下関係も興味深いことのひとつだった。大学の卒業論文は日本人の夫婦関係をテーマにし、ホストファミリーについても少し触れた。 文化の違いを否定せず、客観的に理解し、自分なりの視点で受けとめる、そんな王さんの姿勢が感じられた。人間心理に興味があるそうで、日本の作家では、「鈍感力」や「失楽園」の著者、渡辺淳一氏が好きだと教えてくれた。
日本滞在中はあちこちに連れて行ってもらうなど、ホストファミリーとはとてもよい関係を築けた。プログラム終了後も、日本に行った時は大阪のUSJで一緒に遊んだり、東日本大震災の時は連絡を取り合ったりと、今でも温かい交流が続いている。

写真を拡大2012年6月末に南京大学を卒業し、現在は大学院の日本語学科で研究に励んでいる。

将来は、多様な経験を活かして

「前と変化したね」、1年間の留学を終え、高校3年生の時に帰国した際、周りからよくそう言われたそうだ。「見た目だけでなく、目に見えない部分が大きく変わった」と王さんは感じている。日本への興味が増しただけではなく、視野も広がった。日本にいると世界の国の様々な要素が生活に取り入れられていることが多い。例えば、寮の食事でも、初日は和食、次の日は洋食、生活の様々な場面で日本的なものと西洋、中国的なものがうまく融合している。そういった点が中国と違っていて、面白く、結果として、日本だけではなく、世界全体への興味も増していった。
これから京都の立命館大学に約4ヶ月間の留学を控えている。
「楽しみですが、院の論文の為の資料を集めないといけないですし、勉強の毎日になりそうです」と決意を語ってくれる王さんの言葉から、日本語とその文化に対する彼女の真摯な姿勢が伝わってきた。

今後、現在通っている南京大学の大学院では日本についての「言語研究」「文学研究」「文化研究」の三分野から1つを選択し、更に研究を深めて行くのだが、王さんは文学研究に進むつもりだ。
将来のことを聞くと、「院まで進んだのだから、研究者になったら?との勧めも多いのですが、やはり人と関わって行くことが好きです」と、人間心理に興味があると言う王さんらしい答えが帰ってきた。卒業後はこれまでの経験と語学を活かして、日本企業に就職したいと考えている。留学経験をした友人達も、日本企業に就職するケースが多いとのことだった。実際に日本での生活を経験すると、言葉としての日本語というだけではなく、人と人、文化と文化の交流の大切さを実感するのだろう。

【取材を終えて】
最初から最後まで明るい笑顔が印象的だった王さん。そのやわらかさは違う文化に若い時から飛び込んだからかもしれない。柔らかいから折れない、そして自分の道をまっすぐ見据える、そんな強さを感じた。【取材、文:さめたまり(飛猫) 編集:ワンジー 取材日:2013年3月13日】

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