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卒業生インタビュー

インタビュー 心連心プログラム修了生の「日中交流の担い手」として成長した様子を取材します。

Vol.004 肖 婉晴さん

名前
肖 婉晴しょう えんせい さん

プロフィール
吉林省長春市朝陽区出身。高校2年生のとき、「心連心」の第二期生(2007.9~2008.7)として京都府立北桑田高等学校(京都市右京区)に留学し、2009年、北京外国語大学日本語学科に入学。2013年7月より、国営企業の天津西青経済開発総公司に勤務予定。

夜桜の美しさに魅せられ、言葉を失うほど感動。

真っ先に脳裏によみがえるのは、二條城の夜桜ですね―――。写真には撮っていないのですが、ほのかに照らされて咲き誇る夜桜の美しさは、日本人の美意識や優しさを象徴する姿として、今も脳裏に焼きついています。父も大学で日本語を専攻し、仕事柄、日本出張も多かったため、我が家で「日本」は身近な存在でした。しかも、長春外国語学校の初三(中学3年)から日本語を専攻していた私ですが、知識やイメージで捉えていた「日本」と、実際に訪れて五感で感じる「日本」との違いを感じたひとときでもありました。

留学したのは、京都市街から35kmほど北東に離れた、静かな山里にたたずむ北桑田高校です。公立高校としては珍しく学生寮が併設されていて、ふだんは寮で生活し、長期休暇中は地元のAさんご一家にホームステイさせていただきました。やはり食事にまつわる思い出が多いですね。留学当初はサラダ、刺身などの生ものに慣れなかったけれど、今では大好物。中国の食事は大皿のおかずを皆で取り分けるスタイルですが、日本では個別に小鉢や椀へ小分けして美しく盛ることも知って、感激しました。特に、A夫人が作ってくださった関西風お好み焼きの美味しさは忘れられません!レシピをいただいたのだけど、中国製の粉や出汁ではどうしても懐かしい味を再現できないのが悩ましいですね。

目下、格闘中の卒業論文は、「日本のサブカルチャー」がテーマ。日本語書籍は難なく読むことができる肖さん。専門性の高い文献も問題はない。

軟式テニスやマラソンで味わった、心地よい汗!

留学中、最も印象的だったのは軟式テニス部に参加したこと! 中国の学校には硬式テニス部しか存在しないので、初めて出会った軟式テニスの面白さにのめり込みました。テニスだけでなく、北桑田高校はスポーツがとっても盛ん。女子生徒は体育の授業で5kmを走らなければならないのですが、中国で耐久走をする機会などなかった私には当初、泣きたくなるほど苦痛で……。そんな私もじきに5kmを完走できるようになり、体力が向上したことを実感しましたね。中国の学校は、英語・数学・国語と試験を極端に重視するカリキュラム。課外活動に力を入れる日本の学校生活はとても新鮮に映りました。

涙といえば……日本には春節(旧正月)を祝う習慣がないけれど、春節は私たちにとって最も大切な祝日。留学中は、奇しくも生まれて初めて故郷以外の場所で春節を過ごすことになり、寮に戻って長春市の実家に電話をしました。電話の向こうから大勢の懐かしい声と賑やかな雰囲気が伝わってきて切なくなり、ちょっぴり涙しましたね。ホームシックとでもいうのか。その代わりというわけではないけれど、お正月はAさんご一家と楽しく過ごすことができました。初詣、雛祭り、お花見、七五三……中国にはない日本の風習に触れられるのも留学の大きな楽しみだと思います。

留学中にたっぷり京都弁のシャワーを浴びたのも、愉快な思い出です。初めは友人も標準語でお客様扱いするのですが、打ち解けるごとに京都弁で語りかけてくれるので、いつしか私もすっかり京都弁をマスター。これは、東京や関東地方などの標準語圏ではない留学先だからこそ得られた貴重な体験だと思っています。「せやから」「あらへんで」など、5年経った今でもけっこう憶えていますよ!

「学生食堂は自習室として利用できるから、私もよくここで勉強するんです」(肖さん)。取材当日も、熱心な学生たちが期末試験対策にいそしんでいた。控えめな声量でセンテンスを暗誦する学生が多いのも、外国語大学ならではの光景だ。

就職先を通じ、日本との縁もますます深めたい。

大学に進学してからも、日本との縁は続いています。特に、北京外国語大学の学生と東京外国語大学の学生が相互交流する活動では、ホスト役として中心的な役割を担っています。いつも感嘆するのは日本の学生の団結力! みんなの知恵とチカラを結集させ、ひとつの目標に向かっていく能力は本当に素晴らしいと感じています。中国人は、自分の任された範囲だけに目配りをして終わりがちだから、日本人の「チームワーク」から学べる点はとても多いですね。

北京外国語大学は中国屈指の日本語学科を擁するため、「図書館の日本語文献は、どの大学よりも豊富」と肖さん。「戦時中の問題に関する研究書から、人気タレントをモデルにした手編みニットのガイドブックまで何でもありますよ」。

就職先は、天津市南部にある国家級の経済開発特区・XEDA(天津市西青経済技術開発区)を管轄する国営企業に決めました。XEDAにはパナソニック、豊田通商、 本田技研工業、富士フイルム、武田薬品工業など約120社の日本企業が進出しているので、得意の日本語を生かし、企業幹部との折衝や日本企業の誘致に携わってゆくと思います。これまで主体だった同年代の日本人との交流に代わり、経営者クラスと交流できるチャンスを得ることになるので、わくわくしますね。

中国と日本の関係は、どの国々との関係にも増して微妙で、問題が多く、ひと筋縄ではいかないものですよね。反日デモも……将来、何かのきっかけでまた繰り返されると思います。それは政治が背景にあるものだから私たちにはどうにもならない。私たちにできるのは、ひとりでも多くの「友人」を作ってお互いの理解を深めていくこと。中国人に真の日本の友が、日本人に真の中国の友がいれば、これほどの財産と強みはないし、ゆがんだ認識で傷つけあうこともないと思います。これほどの高度情報化社会にいても、中国人と日本人・双方の理解度は、まだまだ驚くほどステレオタイプで誤解も多い。その意味でも、「日本」と「日本人」の実像を知り、よき友を作る機会にもなる留学はぜひ、チャンスがあればぜひ挑戦してもらいたいですね。

【取材を終えて】
大きな瞳を輝かせながら物怖じせず受け答えする姿に、誠実で、成熟した印象を与える肖さん。大学では学生自治会の宣伝部で活躍しているというのも納得だ。「日本から学ぶことはとても多い」「留学で“中国”を客観視し、“中国”について深く考えるようにもなった」「政治的な問題は繰り返される。翻弄されないようにすべき」と、客観的な視点から語る一方、「ジャニーズ事務所の錦戸亮くんと生田斗真くんがスキなの……☆」とはにかむような少女らしさも備えている。日中間には今後ますます、語学力や知識だけでなく、行動力とバランス感覚を備えた若者が求められてゆくが、肖さんは日本にとっても大きな財産となるに違いない。【取材、文:田中 淳(NNA) 取材日:2013年1月9日】

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